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本多の芸能ほか思うこと
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手紙 (単行本) 小西 真奈美


ふらっと本屋に入って、何気なく、この本を手に取った。小西真奈美は、映画『阿弥陀堂便り』を見て、その演技のうまさと存在感に驚いた。『blue』もけっこう良かった。つか演劇から出てきているから、根性派の人だろうと思っていた。

TVドラマ『オレンジデイズ』の頃に、柴咲コウとぶつかった、と週刊誌に書かれていた。たぶん「あんた、いいこぶってんじゃないよ」なんて言われたんだろうな、なんて思っていた。その程度の知識です。だから別にファンではなかった。でもこの本、驚いた。これほど「人の思いがこもった物体」には、久しぶりに出会った。

著者自らの手書きのタイトル。白一色のカバー。シンプルだけど、冷たくはないブックデザイン。手のひらにおさまるサイズ、ややワイドな版形。本を開けて、ぱらぱらと中の文章を読んだ。詩の形式で書かれた彼女の過去の思い出、日常の思い。これがまさに彼女の声そのもので頭の中で響く。直接的に。それは朗読のCDよりも生々しい。

これほど正確に、自分が書きたいことを、まとめられるのはすごい。ちゃんと短い文少の中に、流れと着地が演出されている。彼女はこの中で、裸になっている。ヌード写真は1枚もない。出だしの1篇は「言葉」というタイトルで、彼女は「自分は肌が弱く、小さい頃から家事を手伝っていたから、手が荒れていた」というようなことを書く。自分は彼女のルックスやマスコミイメージから、なんとなくお嬢さん系の出自を想像していたが、そうではないところから上がってきた人らしい

。だからああいう演技もできるし、こういう本も出せるのだろう。「飾らない自分を出す」ということを言葉で言うのは簡単だが、ここまできっちりできてしまうとは驚きだ。表現者として一流だと思う。

彼女は舞台出身だが、板の上で観客に生身の自分をさらし、ぶつかるように演技をした時のように、この本の中に存在している。そうした意味では、とても激しい本だ。タレント本という括りを超えた1冊。びっくりしました。アマゾンより

小西真奈美のぐびなまには最高の笑顔があってイイ。


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